我が子の目の前で嬰児を殺して遺体をコインロッカーに入れた鬼母

 去年の9月に茨城県つくば市のバスターミナルのコインロッカーから実母によって殺害,遺棄された
 
生後間もない女の赤ちゃんの腐乱死体が見つかるという痛ましい事件の論告求刑公判が
 
2月13日に水戸地裁であったので傍聴してきた。前日の初公判には行きそびれた。
 
 午前10時に裁判が始まる5分前に被告人が刑務官2人と共に手錠,腰縄姿で入廷。
 
ぶかぶかの濃いグレーのトレーナーに黒いズボンというラフないでたち。
 
根本の方が黒くなっている肩までの茶髪をピンク色のゴムでポニーテールにしている。
 
腰縄をほどかれると, 刑務官2人に両脇を挟まれ座る。 
 
 裁判員裁判なので裁判長が入廷すると,左陪審,右陪審の裁判官らと共に裁判員6人が入廷してきた。
 
裁判員は男性が4人,女性が2人いた。
 
 最初に弁護側からの被告人質問があり,被告人の生い立ちについて質問。
 
長峰被告は不倫関係にあった男女との間に生まれた子供で,実父母ではなく父方の
 
伯父に認知され,その後里親に出されたという。中学校1年生のころに
 
血液型が養父母と合わないことから養母に問いただし,自分が養子であることを知って
 
非常にショックを受けてそのころから成績が下がり,不登校にもなったという。
 
弁護人は「お母さんによると,あなたそのとき半狂乱になったそうですね」という。
 
自分を捨てた実の母親を殺してやりたいといっていたそうだがと聞かれ,
 
実の親を殺したいと思っているかと問われると,被告人は認めた。
 
 被告人には殺害した女児の他に長女(8),長男(3)がいて,
 
長女は被告人を養育した里親の元に育てられ,長男は被告人の逮捕後は施設にいるという。
 
おそらく全員父親が違うのだろう。被告人は一時期は介護関係の仕事に就いたが
 
長年風俗嬢として働く一方で出会い系サイトで男漁りまでしていた。
 
弁護側によると,被告人は出会い系サイトで知り合った男性に
 
キャッシュカードをなくしたと嘘をついてまで5万円を借りたことがあったそうだ。
 
「あなた,そういうつまらない嘘つくくせが昔からあったってお母さんが言ってましたよ」と指摘。
 
「生活態度を改めないと一生同じようなことを繰り返すようになっちゃいますよ」と強い調子でしかりつけた。
 
まったくその通りである。弁護側の方がかえって厳しいくらいだ。
 
 長男を産んだ時にも出産直前になってようやく産婦人科にきたのに
 
捜査段階で妊娠7ヶ月で病院に行ったと嘘をついたことを弁護側は指摘。
 
 殺害された女児の父親は2月まで同棲していた男性だとされる。
 
この男性は別れた後で被告人からメールで妊娠したことを知らされると,
 
一緒に病院に行こうと勧めたが,被告人は行かなかった。弁護人はなぜ子供をおろさなかった
 
かと質問。すると被告人は「やっぱりおろすのが怖かったから」と答えた。
 
 後で裁判長が「中絶するのと実際におぎゃあと泣いて生きて動いている子供を殺すことの
 
区別がついていますか」と質問すると被告人は無言だった。
 
 驚いたことに,被告人の女(30)はホテルで出産した後,
 
長男(3)の目の前で被害者である女児の顔にタオルをかけ,窒息死させようとしたという。
 
長男は異変に気付いて「赤ちゃんをどうするの?」と言ったという。
 
タオルをかけた理由について問われると,
 
 
「やっぱり(泣き声を)あんまり聞かれたくなかったから」というが完全に殺意はあっただろうに。見え透いた嘘だ。
 
その後,まだ息があった被害者をレジ袋に入れて口を縛ってしまった。
 
袋を二重にしてさらにキャリーバッグに入れた理由を問われると,
 
「やっぱり産みたくなかったし見たくなかったから」という。
 
袋に入れたのは「○○ちゃん(長男)に見せたくなかったから」とも言っていたが,
 
検事に殺意があったのだろうと指摘されていた。
 
検事にタオルを顔にかぶせた後で赤ちゃんの泣き声はどうなったかときかれて
 
「そんなにはっきり聞いたわけではないけれど,うっすらと聞こえました」と被告人は答えた。
 
30歳なのに話し方が妙に幼い。質問に答える時に「やっぱり・・・・です。」
 
「やっぱり・・・なので」とやたらとやっぱりという言葉を使う癖がある。答えにつまると,無言になったり,
 
「やっぱり・・・なんていうんだろ・・・」などと頭をかいて考え込む場面も多々あった。
 
 弁護側,検察側双方とも被告人質問のときに
 
息子の目の前で妹にあたる女児を殺害したことの残酷さがどれほどのものかわかっているのか,
 
将来息子が自分の目撃したことの意味がわかったらショックを受けるとは思わなかったのかと
 
問いかけたが,被告人は「その時は考えていなかったです。」と答えるのみで殺人という
 
重い罪を犯したくせに反省ゼロだなあ,こんな女を母親にもった子供たちは気の毒だなと思う。
 
被告人の生活態度の無責任さ,
 
不道徳さにはあきれてものがいえない。
 
事件後は所持金が底をつき,風俗店に雇ってくれるよう自分で店の関係者に連絡し,
 
従業員寮で寝泊まりしている所を逮捕されたという。長男を託児所に預けっぱなしにしたり,
 
あるときは交際相手の家に1か月も置き去りにして行方をくらますなど,
 
 
ネグレクトをしていたようで施設によると年の割に語彙が少なくトイレトレーニングも出来ていなかった。
 
おまけに全然母親がいないのに恋しがっていないという。警察に事情聴取をされた後ひどくうなされていたとか。
 
 被告人が長男のことは「○○ちゃん」というが長女のことは「最初のこども」としか呼ばない
 
ことに私は違和感を覚えた。
 
  検察側は被害女児には名前すらつけずに殺してしまったことのむごさを指摘した。
 
自分の子供なのに愛情がないのだろうか。
 
 検察側,弁護側からの質問が終わると裁判長からの質問があった。
 
 裁判長が「風俗嬢として働いていた時どのくらい収入があったか」と質問すると
 
「多い時で60万円から70万円くらいで貯金はしていなかった」という。
 
宿泊代を貯金でまかなったという言葉との矛盾を指摘されると
 
妊娠してからはさすがに貯金を必死でしたという。
 
 出産前から殺害を考えていたのだろうと問われると否定したが
 
「やっぱり邪魔だったんですよね」などと平気で言う。
 
 育てていけないから殺してしまったというのはどういうわけかと裁判長に尋ねられると,
 
「やっぱりお金がないし保育園にも預けなきゃならないから育てていけない」という。
 
 収入の中から中絶費用を工面する気はなかったのかと裁判長に問われると
 
「なかったです」ときっぱり。意味がわからないと裁判長が困惑していた。
 
 長男は殺さなかったのになぜ被害女児を「いきなり」殺したのかと裁判長は聞いたが無言。
 
検事が同じ質問をしたときは泣きじゃくって答えられず。
 
 左陪席の裁判官が「赤ちゃんを入れたレジ袋は事前に準備していたのか」と何度も尋ねたが
 
被告人は子供の食事を買ってきたり「お洋服」を入れたものだと否定。
 
子供を袋に入れた龍を問われると「やっぱりレジ袋があったからレジ袋に入れてしまった」と述べた。
 
子供を産む前から殺意があったんだろうと指摘されるとこれも否定した。
 
「殺す方法を具体的に検討したことがありますか」と何度も左陪席は尋ねたが,
 
被告人はそのたびに否定していた。
 
 最初は傍聴席は空いていたが裁判が後半になり,論告求刑が近づくにつれ,記者と思われる中高年の男女で
 
傍聴席がどんどん埋まっていった。
 
 「長年に渡るふしだらな生活を送った末の犯行で酌量の余地なし」と論告で検察側は断罪。
 
初めての分娩に驚いて殺してしまったりするのと違い,
 
嬰児殺しの中でも特に悪質な犯行で,幼い息子の目の前で妹を殺すなど影響は重大で,
 
被告人は30歳と比較的若いことから同じ罪を繰り返すおそれがあると指摘。
 
  求刑は懲役8年だった。被告人は論告求刑の間中ハンカチを目にあてて泣いていた。
 
裁判が終わると被告人は立ち上がり,手首をさしだした。すると女性刑務官が
 
手錠をかけ,服にしわが寄るほど腰縄をしっかりと結んだ。
 
殺人事件だからかこないだ傍聴した傷害事件の老人よりきつい結び方だ。
 
あの下村早苗とやっていることは変わらないのだから懲役30年にすべきだと思った。